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安田享平のランニングライフ

期分け・36

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今回から実際のマラソンを走る上で、目標タイムに対してどんな設定ラップタイムで走っていくかを考えていきます。

既にご存知のとおり、マラソンはスタートしたら単純にゴールを目指すシンプルなスポーツですが、ゴールを目指す走法についてはいくつかのパターンがあります。はじめにそのパターンをあげてみます。

◆パターン1).イーブンペース型:単純に1k毎の目標ラップタイムを守ってゴールまで淡々と一定ペースで走るパターン。◆パターン2).前半突っ込み型:前半のハーフを速めに通過し、後半は失速しながらも走り切るパターン。◆パターン3).後半ビルドアップ型:前半のハーフを抑え気味に通過し、後半のハーフをペースアップしながらゴールするパターン。

主なパターンは上記3つになりますが、どんなレベルの選手が走っても必ずどれかに当てはまる至極当然のパターンです。

ところが、どのパターンが自分自身に最も適しているかをしっかりと自己分析できているランナーは驚くほど少ないと感じます。もちろん、出場する大会毎にコンディションやレース展開は違います。そのため自分自身に合うパターンを見つけることは、難しいことでもあります。

さて、皆さんはどのパターンが得意でしょうか?

それでは上記パターンについて、それぞれを詳しく考えていきますが、はじめに最近の傾向について考えてみます。※但し、テレビ中継のあるエリートマラソンについてです。

この時期は、ほぼ週末毎にマラソンのテレビ中継があります。そして、どの大会もペースメーカーがレースを先導します。ペースの目安として男子は1kを3分、女子は3分25秒あたりでしょうか。

これを上記パターンに当てはめると、パターン1のイーブンペース型になります。しかし、ペースメーカーは25kから30kあたりで役目を終えます。したがって、そこからが本当の勝負です。つまり、そこからがマラソン競争となり、パターン3の後半ビルドアップ型へとなるはずですが、大会によってはそこから大きく失速してパターン2へと陥ることも多々あります。

特に国内の大会では、ペースメーカーが離れた後、ペースが上がらずパターン2となるマラソン大会の方が多いような感じさえ受けます。もちろん、その理由は様々ですが、レース展開が走っているランナーの走力や走法にマッチングしていないことが大きな原因と感じます。

しかし、最も効率のよさそうなイーブンペース型で走っているにも関わらず好記録ラッシュに結びつかないところが、マラソンの難しさでもあります。そして同時に、目標の記録をどのような走法で攻略していくかは、とても重要なポイントであると考えます。

つづく。

期分け・35

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今回も「マラソン期」で実際にマラソンを走る際の目標タイムやそれに伴う数字(タイム)について考えていきます。

前回もふれましたが、マラソンを走る前にほとんどのランナーは目標タイムを設定します。そして同時に、目標タイムに対し、1k毎の通過設定タイムや5k毎の通過設定タイムに関しては、ほとんどのランナーが確認します。ところが、10kや15kの通過設定タイム、更には25kや35kの通過設定タイムになると、逆にほとんどのランナーは確認及び把握していないケースの方が多いと感じます。

もちろん、1k毎の目標ペースをスタートからゴールまでキッチリと刻める走力やペース感覚の優れたランナーなら全く問題ありません。ところが、実際のマラソンレースでそれを実行するのは簡単なことではありません。

なぜなら、実際のマラソンレースでは、走力や目標タイムの違う数千人から数万人のランナーが一斉にスタートします。その結果、他のランナーに惑わされる可能性が高くなるからです。特に、スタート直後から10k前後あたりまでは人波が凄く、自分自身のペースを維持していくことは事実上困難な状況と言えます。※マラソンは「1対1」の勝負ではなく、「1対他」の勝負となります。

同様に、大会主催者側が準備しているペースメーカーのいるグループについたとしても、そのペースメーカーを務めているランナーがペースを一定に刻める保障もありません。つまり、前半のペースが遅れた場合や速すぎた場合、ペースメーカーの判断でペースの上げ下げを必ず実施します。

そのため、目標タイムに対する5kの設定タイムはキープできたとしても、その間の1k毎にペースの上げ下げをするケースが多々あり、走力の伴っていないランナーはそのペースの変化で力を使い切ってしまいます。

ところが、このとき自分自身の目標タイムに対する各ポイントの通過設定タイムをしっかりと把握していたとします。すると、そのペースの変化を身体(感覚)だけでなく、自分自身の時計を目で見て確認し、実際の数字(タイム)として頭の中で正確な判断ができます。

このような話しをすると「そんなことは当たり前」と、誰もが言います。しかし、実際のマラソンレースではペースが速すぎたり遅すぎたりしていることを正確な数字(タイム)として把握できず、最終的には自滅するパターンが意外と多いのです。

つづく。

期分け・34

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ここまで長々と「期分けシリーズ」を連載してきましたが、いよいよ狙ったマラソンを走る「マラソン期」について考えていきます。

はじめに、ここまでの期分けを簡単に振り返っておきます。

◆スピード養成期:4月~7月 → ◆第1次走り込み期(基礎体力養成期):8月~9月 → ◆第1次走り込み期(スピード持久力養成期):10月~11月 → ◆調整期:11月~12月 → ◆マラソン期:11月~1月。・・・以上のような流れとなります。そして更に、それぞれの期について考えてきました。※期間(月)については目安です。

もちろん、毎度のことですが、上記の期分けが絶対ではありません。なぜなら、市民ランナーの多くは実業団選手(プロ)や学生選手のようにランニングを軸にした生活スタイルを継続していくことが難しいからです。したがって、それぞれがそれぞれの仕事や生活スタイルに合わせた流れ(期分け)を構築していくことが重要なポイントになります。

一方で、マラソンは球技のようなスポーツと違い道具を使いません。そのため、ランニングに上手い下手はありません。また、別の見方をすると、バッティングセンターで素人が140キロの速球を偶然打ち返すことはできても、マラソン4時間のランナーが運よく2時間10分で走れることは絶対にあり得ません。

つまり、いかなる理由があったとしても「走ること」を継続していかないと、マラソンを攻略していくことはできません。更に、目標のマラソンに向けて必要不可欠なことは、それぞれの走力やレベルに合ったトレーニング計画であり、期分けなのです。

さて、前置きが長くなりましたが、ここまで上記の期分けを通じて計画的なトレーニングを考えてきました。そして、いよいよ目標のマラソンに挑戦する「マラソン期」です。

今更言うことでもありませんが、狙ったマラソン前の睡眠時間や食事内容については、どんなレベルのランナーでも気を使います。また、当日のコンディションに合わせた暑さや寒さ対策、シューズ等についても考えます。同じく、レース中の給水対策に至っては、既にランナーにとって常識です。

ところが、意外と盲点になることがあります。それは、目標タイムの設定やペース配分についての数字です。具体的には、目標タイムが3時間突破のランナーなら、「4分15秒/kペース」で目標を達成できることは、どんなランナーでも把握しています。

しかし、3時間突破をするための15k通過予定タイムや25k通過予定タイムになると、ほとんどのランナーは答えることができません。そして、実際のマラソンでスタートから「4分15秒/kペース」が乱れると・・・。

次回はこの点を掘り下げていきます。

つづく。

期分け・33

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新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

さて、毎年のことですが、お正月三が日は「駅伝観戦」と、決めつけている方々も多かったと思いますが、いかがだったでしょうか?かくいう私も駅伝三昧の三日間でした・・・。

今年のお正月三が日は天候にも恵まれ、「ニューイヤー駅伝」、「箱根駅伝」ともに好記録が続出し、見ごたえのある駅伝でした。特に、どちらの駅伝も優勝したチームの安定した走りが目をひきました。具体的には、各区間に配置された選手たちがブレーキも無くそれぞれの役割を見事に全うし、予定どおりの力を出し切ったその「調整力」に驚きました。

駅伝はマラソンと違いチームで競い合います。しかも、区間毎の距離やコースの起伏等が全て異なります。同時に、スタート時間も全区間異なるので、区間毎に起床時間から食事時間、更にはウォーミングアップ等の流れに至るまで全てが異なります。

このように駅伝は、区間毎にまるで違うレースが展開されます。更に、それらをチームの目標に向けてひとつに合わせていくことは、本当に至難の業です。今回、ふたつの駅伝では、その調整力の差がそのままチーム順位に現れ、あらためて調整(ピーキング)の重要性を見せつけられる思いがしました。

また、正月の駅伝を目指している選手たちも春にはトラックレースを走り、夏には走り込みを実施します。ところが、1万メートルの平均タイムを短縮したとしても、夏の走り込みが計画どおり積めたとしても、最後の調整期間で勝負の明暗が分かれます。

この点は、マラソンを目指している市民ランナーの人たちも全く同じです。

マラソンは駅伝のように区間毎にスタート時間が異なったり、同じ大会で別々なコースを走ることはありません。しかし、マラソンも大会毎によってスタート時間が異なります。同じくコースの特性も違います。それらの点は駅伝もマラソンも同じであり、駅伝からのノウハウをマラソンに活かすことは可能です。

例として、箱根駅伝の1区を走るランナーは8時のスタート時間に合わせて夜中の2時から3時には起床し、体調を整えます。同様に、早朝9時より早い時間にスタートするマラソン大会だったとしたなら起床時間や食事等のノウハウはもちろん、早朝に体調を合わせていく調整方法は参考になります。また、アップダウンの多い区間を走る選手のトレーニング方法や調整方法は、起伏の多いマラソンコース攻略にも応用できるはずです。

このように、正月の駅伝を攻略したチームや選手たちの調整方法については、マラソンを目指す市民ランナーにとっても参考になると考えます。また、これから新聞や雑誌、ネット等で正月の駅伝を制したチームや選手たちの記事を目にする機会が増えてきます。是非ともそのコメントを注視し、調整方法のヒントを学んでほしいと思います。

つづく。

期分け・32

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今回は調整期に入ったが、諸事情により調整計画と違う内容を実施してしまうケースについて考えていきます。

実は、「調整計画と実施内容がどんどんかい離していくケース」が、失敗例の中では最も多いパターンのひとつです。しかし、多くの市民ランナーは自分自身の余暇時間を活用し、トレーニングを積み重ねていくスタイルなので、どうしても仕事や家庭が優先されます。その結果、想定外の用事に振り回されてしまい最後の調整で失敗するケースは意外と多いのです。

つまり、社会人(市民ランナー)としては、仕事や家庭を最優先することは、至極当然のことですが、マラソンで目標タイムを達成するためには、そのことが裏目にでてしまうことが多いのです。そして、この部分がマラソンの最も難しい点のひとつであり、マラソンの残酷な部分であると、少なくとも私は感じます。※真面目な人ほど失敗する?

しかし、調整の基本は「休養」です。更に前回も記載したとおり、「迷ったら休養」を実行に移せるか否かが重要なポイントであると考えます。

では、実際に調整計画と実施内容が相違した場合の「良いケース」と「悪いケース」に分けて考えてみます。

◆良いケース1).仕事や天候等により、予定していた走行時間(ジョグ)が短くなった。または、ゆっくり走ることになった。◆良いケース2).諸事情により、予定していたトレーニングが何もできず、「完全休養日」になった。◆良いケース3).身体が重く感じ、ペース走の設定タイムが予定より遅くなってしまった。または、途中でやめてしまった。

◆悪いケース1).仲間たちと一緒に走り、予定していた走行時間(ジョグ)より長く走ってしまった。または、ペース走を仲間の力をかりて、予定より速く走ってしまった。◆悪いケース2).仕事や天候等により、予定していた練習を翌日以降にスライドさせた。または、水泳や自転車トレーニングに振りかえた。◆悪いケース3).予定していた設定ペースで走り切れなかったので、翌日以降に再チャレンジした。

以上のようになりますが、いかがでしょうか?

また、良いケースを悪いケースと、悪いケースを良いケースと、逆に考えていた人も意外と多いのでは?

繰り返しになりますが、調整期に限っては「休養第一」です。この点をしっかりと押えることができた人は、マラソンで自己の目標を達成できる確率が飛躍的に高まります。そのためには、上記の「良いケース」と「悪いケース」をしっかりと理解しておくことは、大切なポイントになります。

※おかげさまで、今年も何とか「週に1回の更新ペース」を堅持することができました。来年もよろしくお願い申し上げます。

つづく。

期分け・31

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今回は、「調整期」の具体的な「内容&流れ」を考えていきます。

前回記載したとおり、この調整期に入るとメンタル的に不安定な状況に陥りやすくなります。そして更に、調整期にも関わらずハードトレーニングを実行に移して失敗するケースを多く目にしてきました。

それは、狙ったマラソン大会で失敗する原因の中では、おそらく上位にランクされる要因と思います。そして、そうならないような調整をしていくための最も基本的となることは次のことです。

「迷ったら休養!」

まずは、この点を頭の中に刻み、自分自身の中でいつでもブレーキを掛けられるようにしておくことが調整期の基本となります。しかし、なかなか実行に移せることではありませんが、常に意識していくことが大切です。

では、目標のマラソン大会から1週間前の具体的な調整計画と、それに対する二つの調整実績を次に記載します。

◆調整計画例:10k~15k走/日曜日 → 完全休養/月曜日 → 軽めのジョグ(30分程度)/火曜日 → 5k走/水曜日 → 軽めのジョグ(30分程度)/木曜日 → 完全休養/金曜日 → 軽めのジョグ(30分ジョグ)+1000m/土曜日 → 目標のマラソン大会/日曜日。

◆調整実績1(女性市民ランナー・スピードタイプ):15k走/日曜日 → 完全休養/月曜日 → 30分ジョグ/火曜日 → 5k走/水曜日 → 完全休養(マッサージ)/木曜日 → 30分ジョグ/金曜日 → 30分ジョグ+1000m/土曜日 → マラソン大会(2時間59分25秒・初サブスリー達成!)/日曜日。

◆調整実績2(女性市民ランナー・スタミナタイプ):120分ジョグ+100m×3本/日曜日 → 30分ジョグ/月曜日 → 60分ジョグ+1000m/火曜日 → 90分ジョグ+100m×3本/水曜日 → 30分ジョグ+マッサージ/木曜日 → 40分ジョグ/金曜日 → 30分ジョグ/土曜日 → マラソン大会(3時間9分3秒・自己新記録達成!)/日曜日。

以上のような調整実績となります・・・。

もちろん、上記したパターンが絶対ではありません。様々な調整方法やパターンのある中のひとつとして参考にしてほしいと思います。但し、それらの中でも共通している点として、「思い切って走行距離を落としていくこと」です。そして、それが最も重要なポイントになります。

次回はもう少し踏み込んで、調整期の計画と実績がズレてきたケースについて考えていきます。

つづく。

期分け・30

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今回は、「調整期」のメンタル面について少し考えます・・・。

この調整期は、「狙ったマラソン大会に向け、調子をより高めていく」ことが、重要な目的であると前回記載しました。ところが、目標のマラソン大会から2週間前後を切ってくると、精神的に不安定な状態に陥って、思いがけないトレーニングを実行に移すランナーが多くなってきます・・・。

この調整期の重要な目的のひとつとして、トレーニングの質や量を抑えていくことで、蓄えてきた走力(調子)を引き出していくことがあります。間違っても、トレーニングの質や量をアップさせて、更に上の走力を身に付けていくことではありません。

実はこのような話しをすると、ほとんどのランナーは、「そんなことは常識」と笑っています。ところが、多くのランナーは目標のマラソン大会が近付くにしたがって、大なり小なり、精神的に不安定な状態に陥っていきます。すると突然、「走りこみが不足している」とか、「スピードに自信がない」と本気で考えだし、これまで経験したことのないようなトレーニングを2週間前から実行に移すのです。

更に不幸なことに、、テストの一夜漬け同様、物凄い集中力を発揮し、ハードなトレーニング(調整)を見事に実施します。その結果、精神的にはある程度の不安を解消できるかもしれません。しかし、肉体的には確実に疲労が残るので、かなりの高い確率で目標タイムからは、ほど遠い結果と・・・。※大会直前に故障や怪我をしたり、風邪をひく最大の原因でもある。

そしてゴール後は、「あんなに良いトレーニング(調整)ができたのに」と、直前のハードトレーニングを反省するどころか、次回はもっと追い込むトレーニング(調整)を実行し、更に悪い結果を繰り返すランナーは意外と多いのです。※バーンアウト(燃え尽き症候群)に陥る原因のひとつである。

このように、マラソンは精神的に不安定な状況に陥りやすいスポーツであると感じます。その大きな理由として、既に何度も記載していますが、マラソンは道具を使わず、「心と身体」だけで勝負していくスポーツだからです。

だからこそ、調整期はその不安定になる精神面をいかにしてコントロールするかが、重要な第一歩となります。更に別の言い方をするなら「調整期」は、いかにして「休養」できるかが重要なカギとなるのです。

つづく。

期分け・29

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今回から狙ったマラソンに向け、仕上げ段階に相当する「調整期」について考えていきます。

はじめに調整期の期間についてですが、概ね狙ったマラソン大会当日から逆算して1週間から3週間前の期間を指します。もちろん、個人差も大きく実業団選手(プロ)の中でも比較的ゆったりと時間をかけて仕上げていく選手もいれば、一気にトレーニングの質や量を落とし、短期間で仕上げていく選手もいますが、そのどちらが良いとか悪いとかを判断することは簡単にできません。

具体例としては、記憶に新しい先日の福岡国際マラソンにおいて、日本人トップでゴールした川内選手のコメントを見ていくと、この大会のために特別なトレーニングや調整をした感じを見受けることはできません。一方、惜しくも日本人2位でゴールした今井選手の場合、かなり質の高いトレーニングや調整ができていたにも関わらず・・・。

更に、川内選手も今井選手も直前で体調を崩していた様子のコメントもありました。ところが、川内選手にとってはそれが「吉」と、今井選手にとっては「凶」となり、まさに調整の難しさを感じる部分でした。

このように、どんなに量や質の高いトレーニングを計画どおりに積めたとしても、最後の調整で結果が大きく左右されてしまうのです。実は、かつて私も調整で失敗したマラソンの方が多く、常に悩んでいたランナーのひとりです(涙)。

では、調整期で最も大切な要素とは何でしょうか?

様々なことが頭に浮かびますが、最も重要なことは「狙ったマラソン大会に向けて調子や体調を高めていくこと」と、なります。至極当然のことなのですが、上記したとおり、それは実業団選手(プロ)でも至難の業なのです。そして、更に重要なひとつとして、安定したパフォーマンス(成績や記録)を残せるよう、悪い調子を良い方向へ軌道修正する目的があります。

例として、走力や走歴が似た選手がふたりいたとします。同じ大会にふたりは出場し、ひとりは昨年の大会で2位だったが、今年は20位と大きく失速。一方、もうひとりの選手は昨年も今年も連続で3位・・・。この場合、後者の方が安定感はあり、次回大会も期待できると判断します。そして更に、調整能力が高いとも評価できます。

このように調整期は、最高のパフォーマンスを発揮するための最終準備期間ですが、単に勝ち負けだけが目的ではありません。すなわち、ここまで積み上げてきた力を最大限発揮できるよう、調子や体調を良い方向に整えていく期間となるのです。

つづく。

市民マラソン大会

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先週の11月23日(水・祝)は、「福知山マラソン大会」が京都で開催され、栃木県では、「大田原マラソン大会」も開催されました。更に、11月27日(日)は茨城県において、「つくばマラソン大会」、山梨県では「河口湖マラソン大会」と、参加人数が1万人をこえる大規模市民マラソン大会も目白押しとなりました。

私がコーチする選手(市民ランナー)もそれぞれの目標に向かって、上記大会すべてに出走しました。コーチの立場とすれば、どの大会も応援にかけつけたいところでしたが・・・。今回は、23日の「福知山マラソン大会」と、27日の「つくばマラソン大会」に赴き、1万人のランナーがかけぬける迫力と感動を感じてきました。

特に、23日の「福知山マラソン大会」については、盲人マラソン日本選手権大会を毎年かねております。そして、今回は来年開催される「ロンドンパラリンピック」に向け、代表推薦選手を選考する重要な大会でもありました。

この大会で私は、ドーピング担当役員の立場でJADA(日本アンチ・ドーピング機構)から派遣された担当者と共にゴール後のドーピング検査に立ち会いました。今更説明するまでもありませんが、ドーピング検査は既に世界の常識と義務になっており、公式の大会なら必ず実施します。

また、意外な感じもしますが、ドーピングに対する認識は、一般の健常者スポーツより障害者スポーツの方が、より浸透していると感じます。もちろん、盲人マラソン協会としても強化合宿等を通じて必ずこのドーピングについての勉強会等を実施するようにしており、常にドーピングに対する知識や意識を高める努力を継続しております。

さて、今大会ではそのドーピング検査の対象となる部門に出場した視覚障害者選手は8名でしたが、どの選手も最後まで力を出し切り、強化合宿等の成果を十分に発揮してくれました。そのため、どの選手をロンドンパラリンピック日本代表推薦選手として選考するかは力が拮抗しており、選考は極めて難しくなりそうです・・・。

続く27日の「つくばマラソン大会」は、絶好のコンディションにも恵まれ、自己記録更新や目標記録を達成したランナーも多かった様子で、ゴール直後に仲間と涙を流しながら抱き合って喜んでいるシーンを数多く見受けました。もちろん、私がコーチしている選手(市民ランナー)も大幅に自己記録を更新することができました。特に、51歳の男性市民ランナーの方が、これまでの自己記録を約10分短縮し、「3時間突破(サブスリー)」でのゴールシーンは、この一年間で最も感動的なゴールのひとつとなりました。

来月以降も全国各地で市民マラソン大会が数多く開催されます。そして、これからもたくさんの感動シーンと出会えるよう、地道な練習会を確実に継続していこうと、一層強く感じた一週間でした・・・。

第3回横浜国際女子マラソン大会

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11月20日(日)、「第3回横浜国際女子マラソン大会」が開催されました。この大会はご存知のとおり女性ランナー限定の大会です。また、この大会は大会主催者側が設定している参加標準記録を決められた期間内に突破したランナーだけにしか参加資格を与えません。

至極当然のことですが、このように説明すると、とても厳しい大会のように感じます。実際に、私がコーチしている市民ランナーの中にも参加標準記録をあと数秒で逃してしまった人もおり、涙を流しながら悔しがっている姿を目の当たりにしたこともあります。また、逆にその標準記録突破を目標に掲げ、「一度は国際女子マラソン大会を走りたい」と、自分自身のモチベーションをキープしていく原動力にしている人もたくさんいます。

既にこのブログでも何度か記載してきましたが、「空前のランニングブーム」と、呼ばれています。その火付け役となった「東京マラソン」のように、制限時間をどんどん緩和している大会も多くなり、逆に誰でも気楽にマラソンを走れる時代となりました。

マラソンに関係している一人として、このことは大いに歓迎することでもあり、「単なるブームで終わらないでほしい」と、願っているところでもあります。しかし、一方で制限時間をどんどん緩和している影響もあってか、レジャー感覚でマラソンに挑戦いている人も多くなっていると感じます。もちろん、マラソンの楽しみ方や走ることの目的が多様化していくことはマラソンを普及させる視点からは大いにプラスです。

しかし、国際女子マラソン大会に出場する人数や3時間00分00秒を突破(サブスリー)する女性市民ランナーの数は、ランニング人口が増加している割には意外と増えていないと感じるのは私だけでしょうか・・・。

そして、更に追い打ちをかけるように、「第3回横浜国際女子マラソン大会」の参加標準記録が大幅に引き上がりました。具体的には、「3時間15分以内」が、一気に「3時間0分以内」までアップしたのです。その結果、スタートラインについた女性ランナーは、102名と大会史上最も少なくなり、更に完走できたのはたったの48名と、何ともさみしい大会に・・・。

参加人数や完走者の数が、オリンピック代表選考に影響を与えることはありません。しかし、一流選手たちと同じ土俵に立ち、一緒に走れる喜びや感動は市民ランナーにとって大きな意味があると考えます。そして、昨年までの参加標準記録である「3時間15分00秒」は、地道なトレーニングの継続で誰にでもチャンスのあるタイムと、個人的には思います。※私の経験上

もちろん、私がコーチする女性市民ランナーの中には、3時間40分以上だったマラソンの記録でも、「国際女子マラソン出場(3時間15分以内)」を目標に地道なトレーニングの継続をし、参加標準記録を手にした人も多くいます。そして、それを自信にその数年後には「3時間突破(サブスリー)」を達成し、更に大きく飛躍したケースも・・・。

このように多くの女性市民ランナーにとって、マラソンの「3時間15分」は特別な意味を持っていると感じます。

と、言いながら来年以降の参加標準記録を知る由もありませんが、何とか元の「3時間15分」に戻ってほしいと願っている一人です。

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